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わかぎゑふさんの巻

  • 2008年3月31日(月) 03:00 JST

関西出身の著名な演劇人に突撃インタビューするコーナーがいよいよスタート!


記念すべき第1回目は、関西小劇場の老舗劇団「リリパットアーミーII」と大阪弁の人情劇を上演する「ラックシステム」の二つを主宰、更には脚本・演出・衣裳デザインまで手がけ、エッセイストでもいらっしゃる関西小劇場界の「お母さん」こと、わかぎゑふさんの登場です!



Q、わかぎさんにとって関西小劇場の魅力とは?

関西に限らないけど、私の中での小劇場の魅力は「客席の近さ」だと思うんです。
どういうことかと言うと、私が初めて影響を受けたのは自由劇場(アンダーグラウンド・シアター)という劇場だったんです。
そこに串田和美(※1)さんがいらっしゃって、大阪ではまだそういう小さい小屋がひとつもなかった時代だったので、高校生の時に東京まで芝居を観に行ったんです。
150人くらい入る小さい小屋で、劇団の持ち小屋として「上海バンスキング」とかをやってらっしゃったんですが、それがもう凄くて! 役者との近さとか、本物感とか、いわゆる映像の世界を目の前で見てるような・・・。
役者さんは当時無名な方ばかりで、いわゆる東京の小劇場の方々。例えば小日向文世さん等が、映像の中でやるようなことを目の前でやってらっしゃるんです! 衣裳も何もかも嘘つかれへんやん!? って感じでした。
私は子供の頃から大きい芝居(歌舞伎など)を見慣れていたので、多少着物の帯がずれてようが何しようが、ネクタイがまがってようがそれほど気にならなかったんです。
でも小劇場ってお客さんが目の前に居るから、役者の本気さとか物の嘘がすぐわかる。明らかに映像文化みたいなもので育った私達にとって、凄いインパクトやったんです。
映像で育った人達を納得させる為のツールやったと思うんですね、小劇場って! 私の中ではそんな感じで自由劇場の20周年のマクベス(※2)を観て「これや!」と思った。「これや!これがやりたいんや!」って(笑)。

小劇場というのはその近さと本物加減みたいなのが試される一番怖い場所です。だから説得力みたいなものがないと本来やっちゃいけないっていう・・・。
それが凄く私にとって最初の魅力やったんです。
関西って、もっとそれが深くなったりとか、緩急がかなりあるところでしょう? 芝居に緩急があるのよ。オリジナルとはいうものの、いわゆる泣かせて笑わせる、笑わせて泣かせるみたいな緩急が東京はいらなくて、もうポンって始まった最初のシーンで、あー・・、この芝居こうなるなって思う作品がいっぱいあるやん(笑)! けど大阪の芝居ってどっかで裏切ったりするのよね、やっぱり。
スイッチャーって私は呼んでるんだけど、お客さんってスイッチャーでしょ? テレビのスイッチはどんどん変えられる。だから飽きられたら変えられる。それを客が飽きる前に変えて緩急をつくる。それはまぁ、漫才や日常会話がベースにあったりするんだろうけど、緩急というのは人の感情を飽きさせない様に惹き付けていくようにできている。
関西小劇場の作家さんと演出家さんが創るものの方が関東のそれより魅力的なのは、特にそこだと思う。それが一番の魅力かな?!

飽きさせないようにこれからも頑張って下さい。関西小劇場.comを(笑)。

Q、芝居で「一番大切にしてること」は何ですか?

一番芝居作りで大事にしてるのは、単純に言えば軸をぶらさないこと。
今回の芝居はこういうコンセプト! って決めると、そこから飛んだものをそこへ戻すって事。自由に飛んで自由に降りて来るイメージがまずないと・・・。今回(リリパットアーミーⅡ「罪と、罪なき罪」)は、笑わせるシリアスな芝居を創ってるんだけど、最後はここに着地しようって。
飛びっぱなしじゃ絶対ダメだから。飛びっぱなしで終わる芝居って若い子はよくやるけどね、どこいくねーん! みたいな(笑)。
そういう確実に降りてくることの“自由さ”みたいなのが凄くやりたいですね。

だから本はもうかっちり書いてしまう。これをどんだけ飛ばすか? どこに着地するか? けど役者の中で確実に飛んで降りれる子少ないから(笑)。

Q、やっぱり関西弁好きですか?

うん。大好き。関西弁の芝居書き出したのは、今から14年前なんです。
それは故意に書いてなかったんじゃなくて気が付いてなかった。単純に。
関西弁の芝居をせなあかんっていう意識が全くなかったので標準語でやってました。
大体みんな標準語でやってるでしょ? どこの劇団も。

関西弁だけの芝居を創ったのは、ラック(※3)を創ってから。
ミュージシャンの友達と喋ってたら、
「大阪弁の何かしっとりした芝居らしい芝居を観たいなぁ」
「じゃあどうしてやれへんの?」
「いや、だってリリパットはそんな劇団違うもん」
「じゃあ別で創ったらええんちゃうん?」
「いや、それは劇団やし無理やろ・・・」 みたいな。
「いや、俺らロックやりたい時はロックバンドやって、ジャズバンドもやるし、俺四つバンドやってんで!」 って言われて、
「あれ? これって演劇人特有な考え?」で、
「それやったら創ろうか!」っていうノリで創ったユニットなんです。まるっきりバンド感覚です(笑)。

Q、今、関西小劇場の中で気になってる役者さんはいますか?

福田くん! デス電所の。
「罪と、罪なき罪」に客演に呼んだんですけど、そら不器用やし! とんでもないけど(笑)。
私、不器用大好きやねん! 不器用な役者しか呼んでへんていう噂があるくらい(笑)。 不器用な“芝居好きな人”が好きかなぁ。
そらほんまダメ出しする度に、福ちゃん、福ちゃん言うてて。最初福ちゃんが「あーそうですね」「そうですね」って言うから、今度そう返事したら100円とるからなって言うたの(笑)。まずは、「はい!」でしょ? って。そしたら「あーそうですね」って。「はい100円!」(笑)。
まぁ三日ぐらいで治ったけど、どんだけ不器用やねん! もうええわ。みたいな(笑)。


常に笑いが絶えないリリパットアーミーⅡさんの稽古場。ゑふさんお気に入りの役者さんはデス電所の福田さんのように大阪人らしい愛情表現で“いじって”くれはります。ほんとに楽しい!
稽古後には「第二の稽古場」といわれる飲み会がほぼ毎日繰り広げられ、そこで客演さん始め劇団員の方々との輪ができあがります。まさにわかぎ・マジック!!
忙しい時は月に7〜8本の原稿を仕上げるという“ふっこさん”ことわかぎゑふさん。 この日も劇場入り前日にもかかわらず快く私たちの取材に応じてくださいました。 まさしく関西小劇場界のお母さん! 
ふっこさん、楽しいお話をありがとうございました!!


※1.串田和美(くしだ かずよし、1942年8月6日生まれ )俳優、演出家。東京都小金井市出身。1966年、佐藤信、斉藤憐、吉田日出子等と共に劇団自由劇場を結成。六本木の「アンダーグラウンド自由劇場」を本拠地とする。代表作品に、上海バンスキング(舞台)、コクーン歌舞伎、北の国から「遺言」などがある。
※2.マクベス … ウィリアム・シェイクスピアによって書かれた戯曲で、四大悲劇の一つ。(他は『ハムレット』、『オセロー』、『リア王』)
※3.ラックシステム … リリパットアーミーⅡの座長でもある、わかぎゑふさんが1994年に作った演劇ユニット。主に大阪弁の人情劇を主体とし、20世紀の大阪に生きた市井の人々にスポットを当て生活観溢れる芝居が描かれます。また大阪の芝居らしい「お」で始まるタイトルでも有名。


●わかぎゑふ最新刊「大阪人の掟」(集英社文庫)絶賛発売中!!
●次回公演 リリパットアーミーII 夏公演
「大阪芝居 〜ウェディング編〜」 作/わかぎゑふ 演出/朝深大介
 6/19(木)〜6/22(日) 於;ABCホール




わかぎゑふ
脚本家・演出家・役者・エッセイスト
2つの劇団、リリパットアーミーIIとラックシステムを主宰する。
双方の公演で作・演出・美術・衣裳などあらゆる面に関わる。
リリパットでは小劇場空間にこだわった形のエンターテイメントを、ラックでは大阪弁の人情劇を交代に上演し続けている。
エッセイスト、コラムニストとしても著書多数。
代表作に「大阪の神々」(集英社文庫)・「大阪弁の秘密」(集英社文庫)などがある。

出身地  大阪府
生年月日 1959年 2月13日生
サイズ 身長152cm 体重44kg B:82 W:60 H:88 頭周り55cm 靴23cm
趣味 旅行 料理 衣裳デザイン
特技 原稿の早書き 殺陣 ダンス
免許 普通免許取得
受賞暦 2000年度(財)大阪市女性協会 きらめき賞受賞
2001年度 大阪舞台芸術奨励賞 『お祝い』の作・演出にて受賞

撮影協力
Thanks CAFE
店長 西野 公人 さん
大阪府大阪市西区西本町3丁目1-31KMビル1F
06-6534-5581
定休日:無休
営業時間:07:30-20:00
駐車場:なし
カード可否 :不可
最寄駅:地下鉄千日前線 阿波座駅9番出口

撮影
山田徳春(office 500G.)

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