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内藤裕敬さんの巻

  • 2008年6月 3日(火) 12:57 JST
さぁ!4月から始まりました関西出身の演劇人にインタビューをさせて頂くコーナー!「突撃インタビュー」ですが、リリパットアーミーllのわかぎゑふさんから始まり、劇団☆新感線の粟根まことさんに続く第3弾は!!・・・関西小劇場の老舗劇団!!南河内万歳一座 座長 内藤裕敬さんです!新作「ジャングル」の記者会見の席にお邪魔しました!!では内藤さんお願い致します。



Q、ではさっそくですが、関西小劇場の魅力についてお聞きしても宜しいですか?

一昔前なら「こんなのがあったんだけど」って言えたんだけど、もうお寒い状況だろ?近小(近鉄小劇場)ねぇし、扇町(OMS)ねぇし、精華(精華小劇場)とかウィング(ウィングフィールド)、ジャングル(インディペンデントシアタージャングル)とか皆さん頑張ってられるけど、精華だって売却の方針だしな。
そういう意味では橋下(府知事)さんはワッハとか青少年会館とかも廃止するみたいだし、大阪市は予算もないから、まぁとりあえず小屋は減っていって更に無くなっていくだろうし、こんな状態で「関西小劇場の魅力」って言われてもなぁ・・・。まぁ、その今ガタガタの状態を大阪の劇団がこれからどうして行くかということが、ある種そこが興味深いという事かな。

Q、そうですか、では東京と関西を比べると如何でしょうか?

内藤:うーん、東京と関西の比較・・・、東京はうるさいからさぁ。そのちょっとなんか出来るともうすぐにマスコミなんかが来て、ハッと気がついて小屋の席みたらもう半分ぐらいテレビ関係者とかが多いからな。まぁそういう意味では自分の作業とか作品作りみたいなものをわりと腰をすえて出来る環境が関西にはあるっていうのはいいんじゃないかな。じっくり作っていざやってみてもあんまり周りが別に注目してくんないって訳じゃないからね。適当にほっといてくれて適当に騒いでくれる感じで、これ以上田舎に行くとじっくりできるけどもじっくりやりっぱなしになっちゃうからね。

Q、では、これから内藤さんが目指されるものや指針ってありますか?

ん~。・・・若いときはね、なんかアレもやってみたいコレもやってみたいってあるんだけど40過ぎるとね、「やりたい事」よりも「やらなければいけない事」の方が増えてくるんだよね。コレをやんなきゃ駄目なんだって事が…。まぁ、そういう意味では個人的にはやっぱり劇団をちゃんとやりたいっていうのはまずある。それと同時に演劇の可能性っていうか、演劇を発想するという観点から、まだまだ色んな新しいものを取り入れて作ったり、新鮮な表現を発見したりする可能性は一杯あるんだっていう事をちゃんと伝えなくてはいけないなぁーって思う。自分がもっとこうなりたいああなりたいというのはもうあんまり無いね。逆に演劇をもっと、演劇が素晴らしいって事をもっと、どうしたら伝えられるんだろうか?っていう考えが強いね。まぁそういう思いで芝居作りをしてればお客さんも面白がってくるだろうしと思うけどね。本当にこうなりたいああなりたいっていうのはないね。ほんとに良いお芝居って言うか面白い芝居をちゃんと作りたいと思うだけで…。
僕個人としては、この何年かで本当のリアリズムを追ってた方向からバカバカしさの中に本当のリアルっていうものを見つけ出すという方向に変化していってるんだけど、その方向をもっと膨らまして遊んだ方が何か新しいものとか、面白いものが出来るんじゃないかって気はしてるんだ。今。

Q、そうなんですか、では、いま関西小劇場のなかで気になる劇団さんとか役者さんって居られますか?

「劇団観音びらき」が凄く気になる。劇団の公演自体は観た事が無いけど、そこの作・演出されてる方がちょっとしたパフォーマンスをしたのを見たんだけど、べらぼうに面白かったのよ。あ~・・・いいもの持ってるなぁって思って、そのチラシ見たら「劇団観音びらき」って書いてあってその次回公演のチラシも入ってたわけ。ちょっとそれは僕が大阪に居なくて見れなかったんだけど、この劇団見てみたいなぁって凄く気になってる。

Q、それはどんなパフォーマンスだったんですか?

それは15分のパフォーマンスを複数の集団がやるっていう公演だったの。そのうちの一つに観音びらきが作・演出やってるパフォーマンスがあってラジオ体操をレオタードでバレエ風に踊っていくんだけど、これねぇ、何にも言わないんだけど無茶苦茶良いセンスで踊ってるのよ。それはちょっとバレエの踊りを知らなきゃ無理だけど、それがまたドヘタなのよ、ドヘタなんだけど顔だけはプリマドンナとかいう感じのやり方が非常にセンシブルであざとくなくて、なんか自分だけその気っていうのが可笑しいだろっていう事がちゃんとわかってまじめにやってるのが素晴らしかったね。この人センスいいなと思って、この人がどんなお芝居作るのか見たいなぁって・・。すっごい今気になってるの。是非みたいね。

Q、話は変わって、内藤さんの初舞台はいつですか?お客様からお金を頂いたっていう舞台ですが…

大学(大阪芸術大学)の2年のときに学内でやった芝居で、集団の名前何だっけなぁ・・・。清水邦夫さんの戯曲で「冒険小説」、役名は「男」だったかな。チケット代が300円か400円位で…(笑)

Q、内藤さんの御生まれは栃木の方ですよね。大阪芸術大学来られたっていうのは、わざわざ東京を越えて関西に来られた事になりますが、何か理由は御座いますか?

いや、生まれたのは栃木だったけど、住んでたのは東京だったから、それに別に大阪が良かった訳じゃないんだよ。ただ東京では高校までずっとバスケットばっかりやってて演劇なんてやってなかったから、ちょっと方向転換した訳なんだけど、もし東京で演劇やってるなんて友達に知れたら恥ずかしくてね。東京以外で演劇の勉強出来たらどこでも良かったね。それで大学で教えてくれるのは東京以外では大阪しかなかった。そういう事です。

Q、では少し質問を変えますが、「過去」って言葉を聞いてどんな事を連想されますか?

連想?・・・過去と言われれば、いま連想するのは「青春」だね。何となくああいう頼りない時期のことを言うんだろうなって、何かこう何の保証も無くて、明日どうなるのかもわかんなくて、夢は持ってるけどそんなものが実現できるかどうかもわかんなくて、お金もなくて、ほんと何にも無いんだけど、なにかしらやってやろうって強い意思だけがあったみたいな。なんかちょっとその時期は今となっては眩しいなって思うね。(笑)

Q、では現在という言葉ではどんな事を連想されますか?

「老い」だね。自分が老いたり、衰えたりっていう、つまり、過去においては何かこれから色んなものがたくさん増えていくとか、発展していくとか何もないんだけど何かが広がっていくという期待感の中にいて、今は…ってかこれから色んなものを失っていくとか衰えていくとか無くしていくっていう事のほうがリアルだよね。そういう意味では「現在(イマ)」っていわれると広がっていくよりもすぼまっていくという風に思う。

Q、ではその後の未来っていう部分になると如何ですか?

「未来」はねぇ。実際、感覚としては老いていく、これからは失っていくものばかりだからねーたぶん。と思ってるんだけど事実としてはどんなに頑張っても昔は出来なかったものが今やりたいと言えば出来るんだよね。ただ、やりたいと言えばいい。「やりたい」と言えば「じゃあやりましょう!」ってなるから、衰えて色んなものを失っていくにも関わらずやることは、責任も重くなっていくし広がっていくし、大きくなっていくという非常に反比例した・・・自分は衰えるにもかかわらずやることは大きくなっていっちゃうっていうその「矛盾」っていうかバランスの悪さって言うのを踏ん張んなきゃならないだろうなって思うね。

Q、では“妄想”って言葉ではどういう事を連想されますか?

うーん。あんまり…そのなんか、やらなければならない事が多すぎて、非現実的な妄想を持つという事はあんまり無いんだけど、個人的な妄想として…果たして俺は結婚して子供をつくって家族が出来て出来た子供が大きくなって大学生になって就職していくなんてのに立ち会うのか?なんてのはちょっと思うね。そんなことはあるんだろうかとか?ってね。(笑)

Q、では最後の質問になります。ほんとまだまだこれからのサイトですが、関西小劇場.comに期待する事って御座いますか?

続けて下さい。できるだけずーっと続けて下さい。



記者会見を終えたばかりの慌ただしい中、嫌な顔一つもせず、こちらの拙い質問に真剣にお応え頂きました内藤裕敬さん!本当に有り難う御座いました。劇団を率いて28年!真剣に演劇と向き合い続ける男の一端を感じさせて頂けたと思います。是非、お酒の席で…、いやいや(笑)私も一応演劇人の端くれですから、是非、舞台上でもっと言葉を交わしたいと思います。 内藤さん本当に有り難う御座いました!

皆さん!次回公演!新作「ジャングル」も要チェックですよ!
特設ページ http://www.banzai1za.jp/j/top.html にGO!

次回の「突撃インタビュー」は関西小劇場出身で大変な食通…それでいて素晴らしい頭脳を兼ね合わせた知的俳優!私個人としましては劇団そとばこまちでの大・大・大先輩!のT・Tさんです。さて誰でしょうか??どうぞご期待下さいね。




内藤裕敬:(ないとう ひろのり)

南河内万歳一座・座長。
1959年栃木生まれ。高校の時に状況劇場『蛇姫様』(作・演出/唐十郎)を見て芝居の道へ。1979年、大阪芸術大学(舞台芸術学科)に入学。4年間、秋浜悟史教授(劇作家・演出家)に師事。その間、“リアリズムにおけるインチキの仕方”を追求。1980年、南河内万歳一座を『蛇姫様』(作・唐十郎/演出・内藤裕敬)で旗揚げ。以降、全作品の作・演出を手がける。現代的演劇の基礎を土台とし、常に現代を俯瞰した作品には定評があり、劇団外での作・演出も多数。世界的ピアニスト・仲道郁代企画の異色コンサート『仲道郁代のゴメン!遊ばせクラシック』全国ツアーでの構成・演出。2000年OMSプロデュース『ここからは遠い国』(作・岩崎正裕)演出で、読売演劇大賞・優秀演出家賞受賞。2005年『調教師』(作・唐十郎 出演・椎名桔平・萩原聖人・黒木メイサ 他)を演出し、東京シアターコクーン・兵庫県立芸術文化センターにて上演。2007年兵庫県立ピッコロ劇団『モスラを待って』(作・鄭義信)を演出し文化庁芸術祭優秀賞受賞。2008年は、仲道郁代との再タッグで、『4×4』(演奏・仲道郁代・古川展生 出演・萩原聖人・倉科カナ他)で音楽と演劇のコラボレーション作品を作・演出する。俳優としても、唐組・兵庫県立ピッコロ劇団等客演多数。2003年本拠地となっていた扇町ミュージアムスクエア閉館後、ウルトラマーケット(大阪城ホール・西倉庫)の演劇活用に邁進。演劇の他は、競馬コラムを担当。釣りと競馬が趣味。憧れの人は、映画『大脱走』のスティーヴ・マックィーン。著作に『内藤裕敬/劇風録其之壱(内藤裕敬・処女戯曲集)』『青木さん家の奥さん』がある。

南河内万歳一座:(みなみかわちばんざいいちざ)
1980年10月、大阪芸術大学(舞台芸術学科)の有志により結成。『蛇姫様(作・唐十郎)』で旗揚げ公演後、第2回公演以降は、座長・内藤裕敬のオリジナル作品を上演している。
大阪を活動拠点とし、年2回の2都市公演(東京・大阪)を基本に活動中。また、海外公演として特にアジアに目を向け、韓国公演(87年・88年)中国公演(95年)も実施。その他、複数劇団を集めての野外合同テント公演(86年・91年・93年)「南河内番外一座」「永盛丸」等のプロデュース公演、他劇団への客演、作・演出など、活動は多岐に及んでいる。1998年からの3年間は更に「まだ見ぬ観客との出会い」を求めて地方都市公演(盛岡・仙台・高知・博多・富山等)も行い、劇団という集団での密度の高い作品づくりを重視する。
作家(内藤)の世代論を軸とする繊細な戯曲を、時にはプロレス技も飛び出す集団演技のアンサンブルと、緩急のタイミングを心得たダイナミックな演出により、爽快でパワフルな舞台に仕上げていく。ストーリー性を重視。台本に忠実な会話の成立に即興性を取り入れる実験。台詞を肉体から発想することにリアリティを求める。 旗揚げ初期から中期の作品は、『唇に聴いてみる』に代表される通称《六畳一間シリーズ》に見られるように、いわゆる「自分探し」的テーマが多かったが、近年は世代論が作家の内面から外に向けられ、「父親不在」「家庭の崩壊」「距離感の欠如」「不確実性」等を重要なテーマとした作品を上演している。「現代演劇は、作品の発表の先に何を見る?」が、南河内万歳一座のテーマ。新しいスタイル、表現、作品の発表だけではなく、劇団という演劇集団の活動とは何かを捜す。

2003年3月、本拠地となっていた扇町ミュージアムスクエア閉館後、大阪城ホール西倉庫の演劇活用の交渉を続け、2004年3月「二十世紀の退屈男」、5月には、合同公演「日本三文オペラ」を上演し、11月には同劇場を出発点とした6都市ツアーを敢行する。

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